哀は足が早いから既に姿は無いし、こんな気持ち切り替えて早く追いかけなきゃ!



全力ダッシュで追いかけて、哀の背中が見えてきた。



「哀ー!……って」



名前を大きな声で哀の名前を呼んだ時、私は隣の女の子に気がついた。




哀の肩を軽く叩いたりしながら笑う、背が高くてスタイルのいい美人な女の子が居た。



女の子を好まない哀が、まさか女の子との接触、会話を拒否しないなんて。



親しげな2人をただ呆然と眺める。



哀があんな風に女の子と会話するのは、唯一の女友達である理子くらいだったのに。