とにかく学校まで走った。
 青木や香坂にも見つからず、約1キロの道を走る。

「あ、瑛翔くんおはよー!」
「おはよ」

 遅くなるかもしれないと思ったがなんとかいつも通りの時間に来れた。もちろん、他に誰もいない。

「瑛翔くん、学校では恋人ってこと、秘密がいい」
「俺も。青木達にすら知られたくない」
「私も凪音に言わない」

 そう取り決めし、学校内では昨日のような感じで接する。結局そこまで変わらないが、昨日の病院みたいなことはしない。

 今日も美雨にクラスメイトの特徴などを僕が話せる限り話し、クラスメイトが来てからは世間話。

「呼び方はどうしたらいい?」
「呼び方?」
「学校では今まで通り千歳でいい?」
「うん」

 小声でそう言ったところで本鈴が鳴り、担任が入ってきた。