「みおちん!よかったね!」


「うん!ありがとう!」


 協力してくれた桜ちゃん雪乃ちゃんに、私は昨日あったことを説明した。


 藤宮くんの引っ越しは学区内であること、転校はしないこと。


 そして、想いを伝え合ったこと。


 二人は自分のことみたいに喜んでくれた。


 そこにちょうど藤宮くんが登校してきた。


「おはよ」


「お、お、おはようっ!」


 私のあいさつにふっと笑う藤宮くん。


 その藤宮くんの表情が、なんだか優しくて、昨日のことは夢じゃなかったんだって思った。


 そこににぎやかな椿の声が聞こえてきた。


「朝からなんなんすか!用だったら俺が聞くし!」


「あ、佐藤さん」


 椿と菅原先輩だった。


「おはよう、椿。菅原先輩も、おはようございます」


 二人が私の目の前までやってくる。


「美音、先輩がなんか話があるって…」


「部活のことでね」


「俺が伝言するって言ったのに、この先輩全然聞かねーんだけど!」


「佐藤さんと直接話したいから」


「美音に話すときは俺を通してくださいっ!」


「三浦くんは佐藤さんのマネージャーかなにかなの?」


 椿と菅原先輩の様子を、呆れたように見つめる桜ちゃんと雪乃ちゃん。


「相変わらずにぎやかだねえ、みおちんの周りは」


「美音も大変だね」


「あはは…」