「え!?藤宮くんが転校!?この前転入してきたばっかりなのに!?」


 桜ちゃんと雪乃ちゃんに、藤宮くんが転校してしまうかもしれない、という話を打ち明けると、二人は私と同じように驚いていた。


「まぁ、転勤族っぽいしねぇ。急に引っ越してもおかしくないかもだけど」


「藤宮くんと私、小さい頃に会ってて、実はそのときも急に引っ越しちゃったんだ」


「そうだったんだ!じゃあもしかしたら今回も?」


 私は静かにうなずいた。


「藤宮くん、最近学校休んでるし、もう引っ越しの準備してるのかな、って」


 私は桜ちゃんと雪乃ちゃんに、今の自分の気持ちを話してみた。


「あ、あの、私ね…実は、藤宮くんのことが好きみたいで…」


 私の言葉に、二人は目を丸くして、でも口をはさまずに聞いてくれている。


「気持ち、ちゃんと伝えたいんだ。だからどうしても藤宮くんに会いたくて」


「なるほどっ!そういうことね!この桜ちゃんが人肌脱ぎましょうっ!」


 桜ちゃんが腕まくりをして、むきっとポーズを取るので、私は目をぱちくりさせてしまう。


「会う方法あるかな?私、藤宮くんの家も、連絡先もわからないし…」


「みおちん任せて!その辺は私が手配しておくよん!しばし待たれよ!」


「私も考えがあるから、この方法なら大丈夫だと思う」


 心強い桜ちゃんと雪乃ちゃんの言葉に、私は二人をぎゅっと抱きしめた。


「ありがとう!」


 友達の力ってすごい…!なんだかなんとかなりそうな気がしてきちゃったもん!


 あとは私が、藤宮くんにしっかり気持ちを伝えるだけだ。