昇降口にやってくると、人だかりができていた。


 クラス替えの名簿が貼り出されているみたい。


「えーっと、佐藤 美音、佐藤 美音…」


 自分の名前を探していくと、2年D組にその名前があった。


「あった!私、D組だ!」


 私の横で自分の名前を探していた椿も、喜びの声を上げる。


「俺もD組!また美音といっしょだ!」


「本当に!?」


「ほんと!ほら、美音の名前のすげー下の方」


 佐藤 美音、と書かれた名前から10人くらい下に、三浦 椿の名前を見つけた。


「本当だ!また同じクラス!」


「8年連続!俺たちすごくね?」


 私たちはハイタッチをして喜びあった。



 クラスに到着して教室を見回すと、去年同じクラスだった人や、はじめましての人。半々くらいだった。


 黒板の前で椿といっしょに自分の座席を確認していると、女の子が二人、こちらにやってきた。


「美音ちゃーん!」


「美音」


「わっ!(さくら)ちゃん、雪乃(ゆきの)ちゃん!」


 去年同じクラスで仲のよかった、結城 桜(ゆうき さくら)ちゃんと早瀬 雪乃(はやせ ゆきの)ちゃん。


 二人とは去年の入学式で仲良くなってから、ずっと仲良しでいつもいっしょだったんだ!


「今年も同じクラス!うれしー!!」


「私もめっちゃうれしいよ、美音」


 元気な桜ちゃんと、ちょっとクールで大人っぽい雪乃ちゃん。


 私の大切な親友なんだ!


「私も二人といっしょでうれしい!今年もよろしくね!」


 私たち三人は手を取り合いながら喜んだ。