「とりあえず帰りたいんですけど」

「だからダメだって〜!俺怒られるんだって〜!ね?お願い!俺のためにここにいて?」


すごくお願いしてくる仁。

そんなに怒られたくない?


まぁ、怒られるの好きな人はいないだろうけど…

必死すぎて「わかりました」って言わざるおえなかった。


それからは、仁とたくさん話をした。

見た目チャラそうだけど、中身はしっかりしてるのがわかり苦手意識もなくなっている。


「美桜ちゃん、元気になったね!」

「え?」


いきなり、元気になったねと言われて思い出した。

そうだった、私失恋したんだった〜!!!


って、なんで知ってるの?


「なんで知ってるのって?顔に出てるよ?何があったかまではわからないけど、元気ないことくらい初対面の俺でも気づく。來さんも気づいてたと思う」


あ〜顔に出ちゃってたんだ…

みんなに気づかれるほどに。


「そっか…」

「だから、來さんもほっとけなかったんだと思う。普段なら迷子になってる人なんて素通りするし。なのに、案内どころか店にまで連れてくるんだから」

と言って苦笑いする仁。


ぇぇぇぇぇぇえええええ?

そんなに酷かった?


なんて話してると、横から


「変なこと話してんじゃねぇ」

って、聞こえてきた。


声をする方見ると、來さんと呼ばれてた人が立っていた。