席に案内されたあと、男はどこかへ消えていった。

入れ替わりにチャラそうな男の人が席に着く。


私、お客さんじゃないんだけどな…

ってか!お金、払えませんけど〜!!!


「初めまして、仁です」

「どうも」


こういうチャラそうな人苦手なんだけど…

なんでよりにもよってこの人なの?


「ごめんねぇ。來さん、お客さん来てるから俺で我慢してね」


いや、我慢とかでなく帰らせてください。


「大丈夫です、今すぐ帰りますんで」

「え?ダメダメ。來さんた怒られるから帰らないで」


なんで怒られるのか知らないけど、別に仁って人が怒られようとどうでもいい…


「お金もそんなにないんで」

「ん?あ、君はお金いらないよ?來さんの彼女さんでしょ?」


はぁ?私があの人の?

ってか、あの人來って名前なんだ。


知りませんでした〜!


「彼女じゃないですが?」


今日知り合ったばっかなのに、いつ彼女になったんだか。


「そうなの?來さん、彼女だからって言ってたんだけど…」


と、困惑する仁さん。

いやいや、私が困惑してますよ!!!