「えっと…」

「話したくないなら別に無理に話さなくてもいい。ただ、一人で抱え込んでてもお前のためにならねぇ」


來斗さん…

今日初めて会ったのにどうしてそんなに優しくしてくれるんだろう。


なんで私は、その言葉に安心をするんだろう。

すごく安心したからか、ゆっくりと話し始めた。


「今日ってクリスマスイブだったよね」

「…あぁ、そうだったな」


いきなりクリスマスイブの話しをされたら、まぁ意味わからないよね。


「イルミネーション前で…元彼にフラれたんだよね。好きな女ができたって」

「そうか」

「知ってたんだ、私。彼が他に女がいることなんて。そして、その相手のことも…」

「ん」


來斗さんは私の話しを黙って聞いてくれた。


「だからね、やっと別れ話かって思って。別に気にしてなかった。

でも、よりにもよって今日。クリスマスイブに普通別れ話する?
ありえなくない?

そして、迷子になり來斗さんに会って…

お店で來斗さん待って帰るとき、店前で待ってたらいたんだよね。

元彼と相手が、仲良さそうに手を繋ぎながら歩いてるのを見て…

気にしてなかったのに、なんかムカついちゃって。

そして、このマンション前についてびっくりしたの。

だってここ…あいつの家だから。
しかも35階。あいつもなんだ。

こんな偶然あるとは思ってなかった。
だから色々思い出しちゃって…」


「そうか」


と、頭を撫でながら話しを聞いてくれていた。