「気づいてたんですね」

「あんなん気づかない方がおかしい」


あー、そんなに震えてたんだ。


「すいません」

「謝りすぎ」

「確かに謝ってばかり」


なんでだろう。

來さんには素直になれる。

だから、全て話しそうになってしまう。


ダメダメ、初対面の人にこんな話しできないよ。


「俺、來斗。お前は?」

「あ、美桜です。野々川美桜」

「歳は?」

「19歳です。來斗さんは?」


來さんって、來斗だから來さんって呼ばれてるのかな。

なんて、呑気に考えてるんだからまだ余裕はあるんだろうね。


「25だ。あと、敬語いらんから」

「そんな!年上なのに」

「気にしなくていい」


本人が言ってるんだから気にしなくていいんだよね。


「わかった」

「美桜、お前の闇はなんなんだ?」

「え…」


私の闇…

気づいてたの?


「さっき店前でも、会ったときよりも暗くなってた」


あ、あのときか…