なぜか、來さんの家に連れてこられたんだけど…

まさか、ここだなんて…


エレベーターに乗ったら35階を押す來さん。

待って待って。そんなことあるの?


不思議そうにする來さんには申し訳ないけど、今すぐここからいなくなりたい。

だってここ…35階…


「ほら、降りろ」


色々考えていたら35階についていたらしい。

降りたくないけど…來さんが早くと言わんばかりの迫力を出してるので仕方なく降りる。


体が震えてるのは自分でもわかってる。

それに気づいてるのかわからないけど、來さんは私の肩に腕を回し家までエスコートしてくれた。


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あれから部屋に入れてもらいコーヒーを出してくれた。


「ありがとうございます」

「おう」


素っ気なく返事をする來さんだけど、コーヒーを渡してくれたあと隣に来てまた肩に手を回してきた。


「あの、この手は…」

「ん、別に。お前が震えてたから」


気づいてたんだね。