10分くらい歩いた。

俺ん家が目の前に来たときのこと。


「え?あの、ここ…」

「俺ん家だけど」

「はぁ?駅まで案内してくれるんじゃ…」


と、予想通り騒ぐ女。

元々そのはずだったからな。


「あとで案内してやる。とりあえず今はついてこい」


そんなに帰りたいなら、あとで駅まで送ってやる。

でも今は、こいつ一人にはさせられない。


今の女なら、一人にしたら何をしでかすかわからないからな。


女の返事を待つ前にまた腕をひっぱり部屋まで連れていく。


抵抗するかと思ってたが、大人しい。

聞き分けいいな。


エレベーターに乗り俺は35階を押した。

女はそこにびっくりしたのか、ソワソワしていた。


「どうした?」

「あ、いや…」


高所恐怖症か?こいつ。

なんて思ってたけど違ったと知るのはすぐのことだった。