手を繋いだままショッピングやご飯に行ったりして、時が過ぎていく。
日は暮れ、辺りが暗くなりイルミネーションが映える時間帯になった。
昼間よりも人が増え、カップルらしき人達で溢れかえる。
もしかして、他の人から見たら私達もカップルに見えたりするのかな、なんて考えながら茂木さんの隣を歩く。
「もうこんな時間か・・・そろそろ帰らないとね」
「そ、そうですね」
時計を見ながら呟く茂木さん。
もう帰る時間か・・・。
帰りたくないな・・・まだ、茂木さんと一緒にいたい。
「・・・ねぇ、由紀ちゃん。まだ時間ある?夜ご飯食べてから帰らない?」
「!は、はい!!食べましょう!!」
思いもよらない提案に、食い気味に答える。
すると、茂木さんが少し驚いたように私を見つめた。
ちょ、ちょっとはしたなかったかな・・・。
かなり食い気味に答えちゃったし・・・。
「ふふっ」
驚いたあと口元に手を当てて笑い始める茂木さん。
や、やっぱりおかしかったかな!?
やば・・・穴があったら入りたい・・・。
「な、なんですか」
「いや、まさかそんなに食い気味に答えるとは思わなくて・・・そんなにお腹すいてた?」
「ち、違いますよ!!」
私を横目で見ながら笑う茂木さんに、少しムキになって答える。
確かにお腹は空いてはいるけど・・・そうじゃない。
あなたと一緒にいたいからですよ。
なんて、絶対言えないんだけど・・・そう強く思ってしまう。
「・・・じゃあ、まだ帰りたくないって思ってくれたからかな?」
「!」
思っていたことを言い当てられ、思わずビグッと反応してしまう。
な、何でわかったの・・・?
「・・・もしかして、図星だった?」
「そ、それは・・・」
「・・・ふふっ。俺と一緒だね、嬉しい」
言い淀んでしまう私に対し、愛おしそうに笑う茂木さん。
そんな表情でそんな事言わないでよ・・・勘違いしちゃうじゃん。
「ねぇ、由紀ちゃん。もしかしなくても──」
「え?」
「・・・いや、なんでもない。どこのお店入ろっか」
何かを言いかけて、途中でやめる茂木さん。
今、何を言おうとしてたんだろ・・・。
「えっと・・・あのお店がいいんじゃないですか?美味しいって有名だし・・・」
「いいね、そこにしようか」
2人の意見が合い、お店が決まる。
私達は、手を繋ぎながらそのお店に向かって歩き始めた。