他人に興味や関心もない風花が碧流とつきあって結婚したことには驚いたし、碧流が風花にベタ惚れなのも驚いたし、とにかく何もかもに驚いたと言う思い出しかない。

それなのに、
「風花を置いてどこへ行ったって言うんだ?」
と、俺は呟いた。

心当たりを考えてみるけれど、やはり思い浮かばない。

先ほど送ったばかりのメッセージを確認したけれど、それを読んだ形跡はなかった。

「あいつ、何か妙なことを起こした訳じゃないよな…?」

もちろん、そんなことを起こす訳がないと信じたいところなのではあるが…送ってからまだそんなにも時間は経っていないし、まだ見ていないのも納得はできる。

「碧流のヤツ、大丈夫か…」

急に行方不明になってしまった親友に、俺はそう呟くことしかできなかった。