どこかへ出かけたんだなと、碧流くんがいないリビングを見回しながら思った。

「と言うか、出かける予定なんてあったか…?」

ただ単に聞いていないだけと言う可能性もある…って、本当に私は他人に興味がなさ過ぎるな。

「まあ、いいか…」

碧流くんもたまには外に出たい時がある訳なんだし、どこにいるとか何をしていると聞くのもウザいだけだと思う。

「ほっときゃ帰ってくるよね、朝ご飯を食べたら仕事をしよう」

締切が近い仕事は何だったかなと思いながら、私はキッチンへと足を向かわせた。

何かよくわからないけれど、碧流くんが家にいないと言うだけなのに変な感じがする。

風通しがいいと言うか見えている景色が違うと言うか、どう表現したらいいのかよくわからないけれど何だか変な感じがした。