あれは、いつだっただろうか?

「あなたは人を好きになるとかそう言うのってないよね」

誰かにそう言われた。

その人が誰だったのか、どんな顔でどんな名前だったのかわからない。

その人に指摘されて、私は初めて“自分は他人に興味もなければ関心もないんだ”と言うことに気づかされた。

私はそう言うつもりではなかったけれど、その人から見た私はそう言う風に見えていたのだろう。

まあ、他人に興味や関心を持ったところでだから何になるんだろうって言う話なんだけどね。

自分は自分で他人は他人なんだからどうしろと言うんだって言う話だよね。

…我ながら“そう言うとこだぞ”である。

そう言った理由で、碧流くんに告白されるまで私は他人に興味も関心も持てなかったと言う訳である。