『葉月出版社』の近くにあるカフェで比嘉女史と一緒に打ちあわせをしていた…のだが、
「比嘉さん、異動になっちゃったんですか!?」

思わぬ報告を聞かされた私は驚きのあまり声をあげた。

「そうなんですよ、近いうちにファンタジージャンルの電子書籍が創刊されると言うことでそちらの方へ異動になったんです」

「それは大変ですね」

比嘉女史は今から5年前に私の担当編集者になって、年齢が一緒で好きなジャンルも似ていたので友達のように仲がよかった。

「先生のBLが読めなくなっちゃうなんて…」

「配信されたらすぐにでも読めますから」

ううっ…と泣きまねをしている比嘉女史に私は言った。

「来週辺りに新しい担当編集者さんが先生の自宅へあいさつにきますので」

「はい、わかりました」

その出来事から、今日で1週間を迎えた。