…何があったと言うのだろうか?

「成海、どうしよう〜!?」

何とも情けない声を出しながら俺に泣きついてきたのは碧流だ。

中学時代からの同級生で親友である彼は俺の姉・風花の夫だ。

今日は休日、昼近くまで寝ていた俺をたたき起こしたのは連続で鳴らされた玄関のチャイムだった。

「地震か家事か泥棒か桑原和男か!?」

ごめんくださいどなたですかお入りくださいありがとう…と、変なあいさつを頭の中でしながら俺はベッドを出ると連続でチャイムが鳴らされている玄関へと足を向かわせた。

来客の予定もなければ荷物が届く予定もなければ頼んだ記憶もない。

そう思いながらサンダルを履いてドアを開けると、
「ど、どうした…?」

そこに立っていたのは碧流で、彼は何とも情けない声を出しながら俺に抱きついてきたのだった。