そんな美人な彼と親しくなったのは、2年生になって最初の体育の授業だった。

「2人1組で体操をするので好きな人とペアになってください」

友達がいない僕からしてみたら、嫌な言葉である。

周りは次から次へとペアができていて…本当にどうすればいいんだと言う話である。

先生と組むしかないのだろうか…と、これから先に起こるであろう気まずい展開に思っていたら、
「髙嶋、俺と組むか?」
と、誰かに声をかけられた。

声の主に視線を向けると、永井成海だった。

まさか周りから“美人”と評される彼に声をかけられるとは思ってもみなかった僕は面食らった…けれど、この様子だと彼もペアになってくれる相手がいなかったみたいだ。

まあ、いいか。

「いいよ」

先生と一緒にやるよりかはまだマシだと思いながら、僕は彼に返事をした。