ゴミ袋を玄関に置いて、洗濯機から取り出した洗濯物を持ってベランダへと足を向かわせた。

洗濯物を干しながら…ふと、気づいた。

「何をしたんだ、僕は…」

風花さんの顔を至近距離で見ただけじゃなくて、彼女の唇にキスをしてしまった。

それに関してはつきあっている…いや、結婚しているから別にいいんだ。

「僕、風花さんからちゃんと同意を得たか…?」

問題は、そこである。

風花さんからの同意を得ないまま、彼女にキスをしてしまったと言うことである。

これじゃあ、まるで変態じゃないか…。

僕が風花さんに行ったことは、少女漫画でよくある無理矢理キスをしてくる最低男じゃないか…。

ーーやってしまった…。

そう思ったら、僕は両手で頭を抱えたくなった。