そんな美しい彼女が在宅の仕事をしていることは自分にとっても好都合だし、その夫が僕だと言うのもとても嬉しい。

改めて風花さんと結婚できて幸せだなと思っていたら、
「ち、近過ぎるから!」

慌てている彼女の顔が目の前にあったので、自分はマジマジとその顔を見つめていたことに気づいた。

「意味がわかりませんよ」

いつも落ち着いている…と言うよりも、おっとりとした感じの風花さんがこんなにも慌てているところを見たのは初めてのような気がする。

それがとてもかわいくて愛しかったので、
「ーーッ…」

僕は彼女と唇を重ねていた。

いきなり、それも思わぬ展開に風花さんのその目は大きく見開いていた。

彼女のこんな顔を見たのは初めてかも知れない。

「風花さんもそんな顔をするんですね」

僕はそう言った後でゴミ袋を手に持つと、書斎を後にしたのだった。