俺に見られてしまったと言う焦りなのか、それとも後ろめたい気持ちがあるのか。

どちらにせよわからないけれど、風花さんのその顔は引きつっていた。

風花さんにこのことを問いつめてみると、“自分が読みたいと思った理想のものを形にしただけ”とのことだった。

登場人物の名前と俺と成海の名前が似ているのはたまたまだったと言うところだろう。

風花さんは“考え過ぎ”だと言っているし、そう言うことなのかも知れない。

下手に問いつめたらキレられるか、最悪の場合は嫌われてしまう可能性もあるからこれ以上は問いつめない方がいいかも知れない…と、判断した僕は話を終わらせたのだった。

それにしても、本当に風花さんは顔がいいな。

在宅で仕事をしているからいいものの、どこかに勤務していたら大変なことになっていただろうな。

どこの馬の骨だかわからない男共に言い寄られたり、身勝手な女共の嫉妬を買うことになっていただろう。