「それじゃあ、これで」

碧流くんはゴミ袋を手に持つと、書斎から立ち去った。

ドアが閉まったけれど、私はその場から動くことができなかった。

「えっ…!?」

ボッと顔から火が出たのかと思ってしまったくらいに自分の顔が熱を持ったことに気づいた。

今のって、すごい展開じゃなかった…!?

いや、すごいも何も結婚してるから問題はないんだけど…って、何を言っているんだ!?

「仕事しよう…」

私は椅子に腰を下ろすと、先ほどの続きを再開させた。

今のところはバレていないーーごまかしたからと言うのもあるけれどーーみたいだけど、バレたらどうすればいいんだろう…?

「さすがに離婚にはならないと思うけれど…」

と言うか、自分の嫁が実の弟と自分でいろいろと妄想してたから離婚なんて聞いたことがないぞ…。