「風花さん?」

碧流くんに名前を呼ばれて、私は我に返った。

「俺の考え過ぎでしたね」

そう言った碧流くんに、
「そ、そうだよ…考え過ぎだよ…」
と、私は言い返した。

よかった、何とかなった…。

一時はどうなることかと思ったけれど、何とかこの状況を回避できたみたいでよかった…。

心の中でホッと胸をなで下ろしていたら、
「風花さん」

碧流くんの顔が目の前にあったことに驚いて、タブレットが手元から落ちそうになった。

「ち、近過ぎるから!」

「意味がわかりませんよ」

いつの間に碧流くんは椅子から離れていたみたいだ。

やれやれと思いながら私は腰をあげると、机のうえにタブレットを置いた。