「そ、それは碧流くんの考え過ぎだと思うな…」

私は返事をすると、碧流くんの手からタブレットを受け取った。

碧流くんの表情は変わらなかった。

顔がいいから私を見ているその表情は怖いものがある。

「そうですか?

登場人物の感じとかシチュエーションとか何か俺と成海によく似ているような気がするんですけれど」

「本当に碧流くんの考え過ぎだってば!

自分が読みたいと思った理想の登場人物と理想のシチュエーションを出しただけの話だし!」

何とか言い逃れをしようと試みるけれど、訝しんでいる碧流くんの表情は変わらない。

ここまでくると、もはや恐ろしい以外の何ものでもない。

そもそも、何でこうなったのだろうか…?