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「風花さん、好きです」

彼女に告白したのは中学卒業間近の夕暮れ時だった。

進学先の高校に合格して、後は卒業式を待つのみだったこの日に僕は風花さんを近所の公園に呼び出した。

「ありがとう、私も髙嶋くんのことが好きだよ」

精いっぱいの勇気を出して告白をした僕に、風花さんは笑って答えてくれた。

ああ、よかった。

風花さんも僕と同じ気持ちだった…いや、ちょっと待て。

そこまで思って、僕はあることに気づいてしまった。

僕は“ラブ”の意味で風花さんに言ったのに、風花さんは“ライク”の意味で僕に言ったんだよな…?

言ったも何も、風花さんの中ではそのつもりだろう。

思わぬ勘違いを呼んでしまいそうな気がしたので、すぐに僕は口を開いた。