まじめでしっかりしているように見えるけど、どこか抜けているところがかわいくて仕方がない。

「そんなに近かったかな…?」

先ほどの風花さんの慌てた様子を思い出して僕は笑った。

男性経験は意外にも少ないらしく、男性との距離感はわからないと前に何かで言っていた。

彼女が美人過ぎるが故に周りの男たちは話しかけることは愚か、近づくこともできなかったんだろうな。

そんな彼女に近づくことができただけじゃなくて、こうして結婚にまでこぎつけることができた僕はある意味では幸せ者だろう。

寝る準備をして寝室へ行くと、風花さんは先にベッドに入っていた。

彼女の隣に滑り込むようにして僕もベッドの中に入ると、その顔を覗き込んだ。

…寝ていた。

こうして寝顔を見る度に僕は風花さんと結婚したんだなと毎回のように思う。