「もう、本当に手がかかるんだから!」

寸でのところで碧流くんが手を支えてくれたおかげで、板チョコアイスは床のうえに落とさずに済んだ。

よかった、助かった。

「ご、ごめん…ついでに、ありがとう…」

お礼を言った私に、
「仕事熱心なのはいいですけれど、自分の行動と場所を考えてくださいな」

碧流くんはそう言った後、やれやれと言うように息を吐いた。

本当に頼れる旦那様だ、ここまでくるとスパダリだ。

「あー、ついちゃったな…」

碧流くんはアイスクリームがついてしまった自分の手を口元へと持って行った。

赤い舌がペロリと、アイスクリームを舐め取る。

「ーーッ…!?」

何だか見てはいけないものを見てしまったような気がして、私はそこから目をそらした。