「風花さん、もう少しで夕飯ができるのでテレビでも見ながら待っててください」

「えっ…ああ、うん、ありがとう…」

碧流くんに声をかけられたので、私はソファーに座って夕飯ができあがるのを待つことにした。

「ホントに至れり尽くせりだな」

私と碧流くんのやりとりを見ていた成海は言った。

「風花さんは好きなことだけをして生きていればそれでいいんだよ。

俺が家事全般を引き受ける代わりに風花さんは好きなことをする、もう少し言うならば風花さんが生きていてくれるなら…」

「あー、はいはい。

俺の奥さんはかわいい自慢はもう間にあってるから」

いや、別に好きなことをしてるって言う訳ではないんだけどな…。

私の場合は好きなことをしていたらそれがいつの間にか仕事になっていたと言う展開だったので、仕事だと言うのも言いづらいものがある。