髙嶋風花(タカシマフウカ)は、半年前に結婚した僕の妻だ。

腰近くまである黒髪のストレートのロングヘアーに白玉のように美しい肌、一重の切れ長の目に小さな鼻、小さな紅い唇は、まるで日本人形のようだ。

年齢は32歳と僕の3つ上なのだが、見た目が若いーーと言うよりも、幼く見えると言った方が正しいだろうーーので、初対面で年齢を言うと驚かれる人の方が多い。

そんな彼女の夫である僕はとても誇らしいのだが、不満なことがある。

「なーるーみー♪」

「風花、近いから」

彼女の実の弟・永井成海(ナガイナルミ)の存在である。

「姉弟とは言え、距離が近過ぎるだろ…」

毒を吐くように呟いた僕の声は彼らの耳に届いていない。

…成海のヤツ、そこ代われ。