「2人とも、どうしたの」
美晴と話していると、零都が横から顔を出す。零都は別のクラスだけどたまにこうしてよそのクラスにも顔を出している。
「どうもこうもないよ。零都、このこと知ってるよね?どうして私に言わなかったの」
「あー……これか。俺は反対した。だけど俺以外のみんなが賛成したから言わなかっただけ。何、古城、会長に言わないで応募したの?」
……え?
零都、このこと反対してたの?
「うん。だって言ったら絶対真夜嫌がるし。こうでもしなきゃ気持ちに気づかないでしょ?零都の気持ちも」
「……どういうこと?」
2人の言っている意味が本当に分からない。そんな私に零都は苦笑いしていた。
「まぁ、カップルコンテスト頑張れ。早く自分の気持ちに気づくといいわね。綾瀬も、頑張れ」
美晴は呆れたため息を吐き出すと、そう言って教室を出ていった。ザワザワと騒がしい教室に取り残された私と零都。