楽しそうに笑う宇佐美くんの表情がだんだん険しくなる。もしや、宇佐美くんは誰が応募したか知ってるの?
「ねぇ、誰が応募したか知ってる?私の知らないうちに応募されてたんだよねぇ」
私はここぞとばかりに詰め寄った。
ここで誰が勝手に応募したか分かれば苦労せずに済む。宇佐美くんは嘘をつくと顔に出やすいタイプなので嘘をついたらすぐわかるだろう。
誰が応募したか言うまで逃がさないから!
「……会長、怖いです」
「怖くて結構。さぁ、早く答えなさい!」
私は周りにほかの生徒がいるにも関わらず大声で叫んだ。いつもの私ならもっと周りの視線が気になるはずなのに。
今はちっとも気にならない。
むしろ勝手に応募されたことに怒りが湧いてそれしか頭になかった。
「……はぁ。今年、生徒会もカップルコンテスト応募しなくちゃいけないのは知ってる?」
「え?何それ。知らないんだけど。どういうこと?」