ザワザワと騒がしいある日の放課後。
校内は文化祭に向けての準備真っ只中だった。生徒会だけでなく、みんなが張り切る一大行事。
今年も、この時期がやってきたのだ。
「真夜ー!この材料ってまだある?」
「生徒会長!先生が呼んでるよ!」
私のクラスも張り切って準備をしている。ちなみに出し物は王道の“メイド喫茶”。女子はメイド服、男子はタキシードを着て喫茶店を開くのだ。
私はというと、色んなところから声をかけられ、あちこち走り回っている。
クラスメイトに質問されたり、先生から雑用を頼まれたり。
ここ最近は、例のトラブルよりもこっちの準備の方が忙しく回っていた。
「はぁ〜……」
今、ようやく仕事が一段落した。
私はため息をつきながら廊下を歩く。
本当はもっとクラスの準備を手伝いたいけど、生徒会の仕事も溜まっていて。あまり顔を出せずにいた。
案の定、この間のトラブルは解決出来ずにいるし、なんだか大事になってしまった。