「察するなよ!ほら、どっか行け!」
「ちょ、そんな言い方ないでしょう?」
歳下の癖にセンパイにタメ口。これも相変わらずだけど、それが許されてしまうのは分かりきっている。
でも、ここは普通の学校。
目上の人にはちゃんとした態度を取るというのが原則のルールというもんじゃないの……?
まぁ、和泉に何を言っても無駄なのは言わんこっちゃないけど。
「おいおい。お前から収集かけといてそれは無いだろ。もう他の奴らも来るんだから。邪魔するぞ」
零都ははぁ、と深いため息をついて自分の席に座る。ご苦労さまだなぁ、と心の中でつぶやく。
こんなおちゃらけた和泉の指示なんて誰も聞きたくないだろうに。文句も言わないでここに来るなんて。
「ねぇ、なんか今すごく失礼なこと考えてなかった?」
ぼけーっと零都を見ていると急に和泉が覗き込んでそう言った。そのことにドキッとしながら慌てて立ち上がる。