文化祭の前のこの時期は特に忙しい。
ありとあらゆるところからクラスの情報を集めたり、出し物のリストアップ、予算の提案……などなど。
「でも結構量あるよ?会計の仁科は今日部活でいないし、副会長の凰月はどっかいってるし。宇佐美は先生に呼ばれたし……」
美晴は言葉を詰まらせたあと心配そうにそう話した。
今はちょうどみんな出払っていて、生徒会室には私と美晴しかいない。零都は遅れてくるって言ってたし……。
「大丈夫だよ。このくらい私ひとりで行くよ。買うものリスト、スマホに送って置いて!美晴は仕事優先!」
ぽん、と美晴の肩を叩く。
買い出しくらいで大袈裟だなぁ、と思わず心の中で苦笑いする。
ちょっと近くのショッピングモールに行くだけなのに。
「そう?じゃあ、お願いしてもいい?」
「うん。しっかり仕事してくるから」
私はカバンを教室に取りに行き、買い物するものをチェックしてから教室をでた。