本当は幼なじみなんかじゃない。
たった一人の女の子として見ている、と言ったら真夜はどんな顔をする?
そんなことを言ったら恐らく真夜は困惑するだろう。そして……俺から離れてしまうかもしれない。
そうなるのが嫌だから知られてはいけない。この、真夜への恋心を。
「そう、なの?」
「そうだ。だからあまり深く考えるな」
ぽん、と真夜の頭に手を乗せる。
こんな恥ずかしいことができるのは真夜への想いがあるから。他の奴には絶対しない。
俺の気持ちに気づいて欲しいけど、今はまだ我慢だ。
「……わかった」
少し間を開けて返事をする真夜。
どんな顔をしているのか分からないが、少しは俺に振り向いて欲しい。
「おう。それより、部屋来いよ。そこでゆっくりすればいい。どうせ勉強したいんだろ?」
俺はこの気持ちを誤魔化すかのように部屋のドアを開ける。
今はただ……真夜と2人きりになりたかった。