そんな焦った俺を見てキョトンとしているのは真夜だけ。周りの奴らは呆れたようにため息をつく。
零都は不満そうに眉をひそめ、俺を睨んだ。
「別にココア入れるくらいいいでしょ?零都は本当にいい仲間よ。ちゃんと私の好みを把握してるし、みんなに気遣ってる。今だってさりげなく用意してくれて」
「まぁまぁ。俺は別に気にしてないよ」
真夜は変に突っかかった俺に不満を持ったのかマシンガンのように零都を褒めだした。
その言葉を聞いて俺はまた不満がたまる。
零都はというと、穏やかに止めに入った。
……こういうところがガキなんだよ、俺は。はぁ……情けねえ……。
「あ、ちょっと何すんのよ!」
「別に……あまっ。本当に真夜は甘党だな」
俺は真夜からカップを奪い取ると中身を半分ほど飲み干す。思った以上に甘ったるくて胸焼けしそう。
「う、うるさいなほっといて!」
「総長、うるさいからどっか行って。ゲームに集中出来ない」