そして、気づいたら憧れの幼なじみから好きな人へと変わっていた。
物心着いた時からずっと一緒にいたけど。
俺は凰月家の跡取りとしてかなり厳しく育てられた。でも、ウチの両親と真夜の両親が幼なじみ同士で仲が良い。
そのおかげもあってか、真夜と遊んだり話したりすることには否定はしなかった。むしろ喜んでいた。
だけど中学に上がる前から真夜と疎遠になる。原因は分かりきっていた。真夜が彩華学園に合格したからだ。
その前も受験勉強などで会えない日が続いた。真夜は俺よりもずっと前を向いてひたすらに進み続けている。
ひとつ歳が違うだけなのに。
情けないと思った。
だから俺は真夜に秘密で同じ学校を受験し、生徒会に入った。副会長がいないと聞いて、その枠に難なく滑り込んだ。
さらには暴走族の総長も同じタイミングで就任。暴走族の伝説は前から聞いていたので、どうせなら上を狙おうと護身術や柔道、空手などの技術も身につけた。