美晴の心配をしてきた。
そんなこと言われるだろうと思って、私は前もってスマホを取り出し、美晴とビデオ通話していた。
元々今日こんな感じで美晴と作ろうと思っていたから向こうも予定はない。美晴はみんなの内部事情も知ってるから、何も問題はない。
『やっほ〜。みんな揃ってるじゃん。……宇佐美がいないけど』
スマホの画面から美晴の声が聞こえる。
仁科くんはあんぐり、と口を開け、呆気に取られていた。零都は苦笑い。和泉はため息をついている。
織愛ちゃんは……自分の部屋にこもってるな。気づいたらいない。ここには各自の部屋があるのでそっちに行ってるのだろう。
「ごめん、宇佐美くんは遅れるって。喧嘩中らしい」
『全くアイツは……。おい、仁科。しっかり働けよ』
美晴は仁科くんを見つけると、じとっと睨む。さっきの私と仁科くんの会話を聞いていたのだろう。
仁科くんは、美晴から言われ、背筋をピンと伸ばしている。