「ほら、とっとと行くぞ」
「う、うん」
そんなことを考えていると、何を思ったのか和泉は私の手を掴み、中へと引っ張っていく。
その事に気づいたけど、私はもう何も言わなかった。和泉はこのアジトにいると性格もかなり変わるから。
きっと無意識なんだろうな。
ドアを開け、中に入るとまず目に入るのがテレビやテーブルが置かれたかなり広いリビング。そして、その周りには複数のドアがあった。
外観とのギャップがすごくて最初は状況を飲み込めずにいたっけ。そのリビングにいたのは、見覚えのあるメンバーたち。
「おー、生徒会長来たか」
私の存在にいち早く気づいたのは零都だった。いつもは生徒会書記係としてキリッとしているのに。
ここにいると、とてもリラックスしていて優しい。
「零都くん!もう、ここでは生徒会長じゃなくて真夜ちゃんでしょ?ここは学校じゃないからね!」