周りのみんなはあまり気にしていないのか、私たちに目もくれず生徒会室を出ていく。
故に、今生徒会室にいるのは私とコイツだけ。今更そんなことにドキドキしないけど。なんだか妙にソワソワしてしまう。
「……いや、真夜(まよ)今日も可愛いなと思ったから見てただけ」
「はぁ?!からかうのもいい加減にしてよ!」
何を返してくるんだと思ったら思わず拍子抜けしてしまう。答えになっていない答えが返ってきて、頭の中はテンパっている。
「いやいや。冗談でこんなこと言わねぇって。ずっとみてるからわかるんだよ」
そんな慌てた私を見てニヤァと嫌な笑い方をするコイツは幼なじみで同じ生徒会仲間の凰月和泉(おうげついずみ)。
ひとつ歳下の高校1年生だ。
「へ、変なこと言わないで!ぶっ飛ばすよ?!」
こうやってからかわれるのはいつもの事。なのにやられる前にいつも私が和泉にやられてしまう。