美晴は“向いてないから”とか言っていたけど。私は未だにそんなことを思ってしまう。
こんな私のことを支えてくれて。
本当に美晴には感謝してもしきれない。
ーー間もなく、最終下校時刻です。校舎に残っている生徒は……。
ぼーっとしていると最終下校時刻のアナウンスが校内に流れ始める。
「……帰ろ」
危ない危ない。
またマイナス思考に陥るとこだった。私は気を奮い立たせ、カバンを持って教室を出る。
ーーガラッ。
「きゃあ!!い、和泉?!」
ドアを開け、右を向いた瞬間、和泉が視界に入る。誰も居ないと思っていたので私の悲鳴が廊下に響き渡った。
心臓はバクバクと激しく脈打つ。
い、いつからそこにいたの……?
「……おう」
「いつからいたのよ!」
呑み込もうと思った言葉がそのまま出てしまった。私は口をパクパクさせ、思わず後ずさる。
「あー……ついさっき?」