「それでは、今日の会議を終わります」



シン、と静まり返った生徒会室に響き渡るのは私の声。みんな真面目に椅子に座り、資料を眺めている。


ーーだけど、ただひとり。


資料には目もくれず、じっと私のことを見てくるナマイキなヤツの視線を感じていた。


「お疲れ様です」



その事に気付かないふりをしながらも、私はイライラが止まらなかった。大事な会議の時くらい真面目にやって欲しい。


仮にも、生徒会役員の1人なんだから。



「「「お疲れ様でしたー」」」



無事に会議が終わり、生徒会室の中はほっとした空気が流れていた。


私は、隣からの視線を感じつつ、資料のまとめをする。



「……なぁ」


資料にシャーペンを走らせているとやけに低い声で話しかけられる。その事に気づいてピクッと反応してしまった。


振り向こうかどうか迷った挙句、ため息をつきながら隣を向く。



「なんか用?」