「なんだよ。そんなことで悩んでたのか?お前。あはは!」

「バカにしないで!」

「バカにしてるわけじゃない。そんなこと、怖がらなくてもいいだろ?好きなものはみんな自由なんだから。俺だって、男だけど、メイクとか、ファッションとか興味あるし」

意外だった。

「…そうだったの?」

「うん。中学の時は、さすがに言わないようにしてたけど、高校は校風の自由な高校にした。そこだと、制服もないし、自分らしくいられるから」

自分らしく。

その言葉が、胸に響いた。

「だから、谷崎も気にすることないよ。好きな格好すればいいじゃん」