「実は、今度私の大学でファッションショーをやることになって、瑠奈ちゃんに出てもらいたいんだけど」

え?

ファッションショー?

「瑠奈ちゃん、綺麗な顔してるし、かわいい服でもかっこいい服でも、どっちでも似合うと思うんだ。だから、どうかな?」

私は胸が踊った。

かわいい服を着ることができる日が来るなんて!

「で、スタイリストを翼に頼みたいの」

「は?」

「え?」

私たち二人は、同時に声を上げた。

「大丈夫、翼はセンス抜群だから」

そういう問題じゃない。

どうして安藤が、私のスタイリストになるの?

「待てよ姉ちゃん、こいつは…」

安藤が何か言いかけたが、美月さんは聞いていない。

「どうかな?瑠奈ちゃん、出てくれる?」

こんな機会、滅多にないかもしれない。

「はい。出ます。私」