「うん。これにしよう」

そう言って、ウィッグを購入した。

結局その日は、ウィッグを買っただけで終わってしまった。

「服とかは、また今度だな」


次の休み、安藤を私の家に呼んだ。

「なんだ…この部屋…」

安藤は少し引いているようだった。

「これが私の部屋。これが私の好きなことなの」

それでも私は、安藤だったら受け入れてくれると思った。

でも、いきなり乙女チック全開の部屋に連れてくるのはよくなかったか。

「すげーな!お前!」

引いているのかと思ったら、目をキラキラさせ始めた。