「いいのかな…?」

「いいに決まってるだろ?さっさと服とかいろいろ見にいくぞ」

私は、安藤に手を掴まれて歩いた。

胸の奥が熱くなるのを感じた。

「うーん。髪が短いから、元はいいのにもったいないな。そうだ」

安藤が思いついたように言った。

「谷崎やってみたい髪型とか、ある?」


私が連れてこられたのは、ウィッグが売っている店だった。

「これはどう?黒でロングだから、いろんなヘアアレンジできるよ」

私につけると、明るい顔になった。