美月「入るよ」

瑠姫「うん」


ガチャン


美月「……ここはゴミ屋敷か?」

瑠姫「ううん楽園——」

美月「よし、片付けるぞ」

瑠姫「ええー……やだ」

美月「じゃあバラすぞ?高嶺の花がこんなにめんどくさがりだってな」

瑠姫「や、やめてよ。付き合った相手ならまだしも、他人には知られたくない」

美月「じゃあ片付ける!いいな?」

瑠姫「はぁー……わかった」


ため息を何度もつきながら、片付けを始めた瑠姫。


美月「……何してる?」

瑠姫「えっ?袋詰め」

美月「いや、普通にしまってよ」

瑠姫「袋詰めして、クローゼットに突っ込んだら完成!ねっ?」

美月「ねっ?じゃないから」


袋を取り、棚などにしっかりと置き始めた美月。


瑠姫「あっ、みーくん」

美月「……は?」

瑠姫「みーくんってよくない?」

美月「い、いや……」

瑠姫「あっるぇ?顔真っ赤だよ?」

美月「う、うるさい!!勝手にしろ!」

瑠姫「はーいみーくん」

美月(……いつでも瑠姫のペースだ)


悔しがりながらも、テキパキと片付けを続ける。

そして、1時間半後。綺麗に部屋が片付け終わった。


瑠姫「はー!みーくんお疲れ様!!」

美月「……ん、お疲れ様」

瑠姫「暑いね〜アイスあるよ?食べる?」

美月「じゃあ、もらう」

瑠姫「うん!みーくんはバニラねー!私はチョコ」

美月「チョコ、好きなの?」

瑠姫「うん!あんなに美味しいものはないよ」

美月「へぇ」


カップに入ったバニラアイスを差し出す。


低めのテーブルの前に座っている美月の隣に腰掛けた瑠姫。

そのまま美月に寄りかかる。

ビクッと美月が震えて、思わず笑を溢す瑠姫。


瑠姫「みーくんって意外とうぶだよね」

美月「……あんまりなめてると痛い目みるぞ」

瑠姫「えっ?」