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「雪ちゃん、これ、取り返しておいたよ。あの子がこれ羽織って帰って来たの見て、ボクは震えたよ」

 生徒会の連絡網はすごい。
 広場に戻ると、どうやったのか灯くんが私のジャージを取り戻しておいてくれていた。

「……ありがとうございます、灯くん」

 手渡されて、じーんとなる。
 今夜は灯くんとお揃いのパジャマを着よう。

「あいつ、悪魔組のやつだったぜ。天使組のやつ脅してジャージ借りて、ウイッグとカラコンまでして雪のこと騙したんだ。あとで絶対制裁を与えてやる。大丈夫だからな? 雪」

 仁王立ちで闇くんが私に報告してくれる。

「闇くん、調べてくれたんですか……」

 大丈夫、と言ってくれて、じーんときた。
 今度、どこかに行くときは絶対闇くんを頼ろう。

「誰かを一人にしておけない、っていう君の優しさにつけ込むなんて、ほんと悪魔は野蛮だね」

 光くんの天使の微笑みがすごく温かかった。

「優しいです、光くん」

 頭を優しく撫でられて、じーんとくる。
 今後、泣きたくなったら光くんのところに行こうと決めた。

「おい、ここにも悪魔三人いるぞ」

 晩くんは不機嫌そうな顔で自分と闇くんと私を差した。

「ふふっ」

 こんなときに笑っちゃいけないと思ったけど、思わず、笑ってしまった。
 私もちゃんと仲間に入れてくれるんだ。

 ――晩くん、私の正体を隠してくれてありがとう……。

「あの……、みなさん、すみませんでした。俺なんかでも、素直に普通に友達が出来ると思ってました」

 改めて口にして考えると落ち込む。
 私なんかにはやっぱり友達作りは難しかったんだ。