「では、ここで新たな生徒会役員メンバーを紹介する」


 理事長先生はそう言って、舞台袖に視線を送った。

 入学前説明会で聞いたんだけど、この学園は他の学校と違って、三年に一度理事長先生に選ばれた一年生が三年生まで生徒会をやるんだって。

 だから、今、舞台に並んだ四人は全員、新入生。


「左から、生徒会長の悪魔組1年A組 東条 晩」


 紹介された生徒会長を見て、あ……、と思う。

 艶のある黒髪、漆黒の瞳。黒いブレザー。
 さっき助けてくれた人だ。
 生徒会長なのに遅刻しそうになってたってこと?
 それとも生徒会長として、遅れそうになってるやつがいないか見回りしてたとか?
 真実はたぶん、ずっと分からない。

 それにしても、すごい声援。「東条様ぁああああ!」とか、男女関係なく叫ばれてる。


「生徒会副会長、悪魔組1年A組 京極 闇」


 セットされた白い髪に赤い瞳。黒いブレザー。
 副会長も悪魔なんだ。
 ここからでも顔が整ってることが分かるし、見た目がやんちゃしてそう。
 でも、生徒会だから、そんなにおかしな行動はしないはず?

 やっぱり、彼もすごい、きゃーきゃー言われてる。


「生徒会書記、天使組1年A組 西園寺 光」


 書記の彼は天使組で白いブレザー、金髪に碧い瞳で王子様みたいだ。
 笑顔がキラキラしてて、みんなからの悲鳴がすごい。
 手を振ってるだけで、きゃーきゃー、理事長先生の声が聞き取りづらいくらい。
 天使組だから、きっと性格もいいんだろうな。


「生徒会補佐の天使組1年A組 伊集院 灯」


 三人よりも少し背が低い彼。金髪に金色の瞳。
 これぞ天使って感じだ。ちょっと甘めの顔というか可愛い系の印象。
新入生から「灯くーん! 可愛い!」とコールをもらっている。
この子も人気なんだ。


「彼らが今後三年間の生徒会となる。後ほど、彼らを守る親衛隊も決めるからな。では、これで入学式を終了とする。諸君は速やかに教室に移動するように」


 へぇ、親衛隊とかいるんだ。
 守ったり世話係とかそういうことなのかな……。
 とか、ぼけっとしながら私はみんなに混ざって、クラス表を見ながら自分の教室に向かった。