「灯くん、なんで……」

 一人でもベッドで寝たらよかったのに。

「雪ちゃんがどうしてもソファでしか寝られない体質なのかと思って」

 寝起きとは思えないキラッキラのスマイルで灯くんは言った。

「いや、そんなことないですけど。っじゃなくて、一緒に寝る必要ありました?」

 わざわざこんな狭いところで一緒に寝なくても、と思う。
 というか、ベッドでも一緒に寝なくてもいい。

「なんでそんな寂しいこと言うの?」

 ――くっ、心が痛い。

 きゅるんきゅるんの子犬みたいな表情で灯くんに言われて心にぐっと来た。

「なんか、すみません」

 何を謝ってるのか、自分でもよく分からなかったけど、そうするしかないような力がいまの灯くんの表情にはあった。

「じゃあ、次は一緒にベッドで寝ようね」

 上手く流されました。
 灯くんはあざとかったです。